ボルボ164の写真

ボルボ164。 大きくなったボンネットに、高級感のあるフロントデザイン。

1968年秋、ボルボは新型車として164を発表しました。このセダンは144の改良版にあたり、プレステージ指向をさらに進めたモデルでした。

技術面での主要な違いは、3.0リッター直列6気筒エンジンを搭載している点です。このエンジンは、同じく1968年に140シリーズへ導入した2.0リッター4気筒エンジンをベースに開発されました。当初はツインキャブレターを使用していましたが、のちに燃料噴射装置仕様も追加されています。

ボルボが6気筒エンジン搭載車を発売するのは実に10年ぶりであり、これ以前に6気筒エンジンを搭載した最後のモデルはPV830シリーズのタクシーでした。

自家用車向けの6気筒エンジンとなると、1950年にPV60の生産を終了して以来のこと。20年近くもの間、ボルボには自家用車向けの6気筒エンジン搭載車がなかったのです。

164のエクステリアについては、フロントセクションが独自のデザインでまとめられていました。大排気量エンジンに対応すべく、長大なボンネットを採用したためです。フロントセクションの形状変更と大型グリルの採用は、プレステージ感を高める効果も発揮しました。

一方、インテリアでは、新たにデザインしたシートを採用。高級感のある素材を表皮に使用したほか、レザーシートも選択肢に加えられました。

1968年から1975年にかけて生産された164ですが、最終年に製造された車両のほとんどは米国に輸出されました。

技術仕様
モデル: 164
生産: 1968~1975年
生産台数: 146,008
ボディ: 4ドアサルーン
エンジン: 6気筒、直列、オーバーヘッドバルブ、2,978cc、88.9 x 80mm、135~175bhp。
トランスミッション:4速マニュアル、電動オーバードライブ付き4速マニュアル、3速オートマチック

ブレーキ: 4輪油圧式ディスク

サイズ:全長=470cm、ホイールベース=270cm