ボルボPV544を紹介する写真

Volvo PV544 上部をパッドで覆うことでインテリアの安全性を進化させたダッシュボード。

ボルボPV544はPV444をより近代的に改修したモデルとして、1958年8月に導入されることになります。フロントウインドーに大面積の曲面ガラスを採用し、あわせてリアウインドーも拡大することで大幅に改善させた視界をはじめ、その変更規模は1944年にPV444が発表されて以来、最大といえるものでした。インテリアでは、上部にクラッシュパッドを貼った新しいダッシュボードを採用し、キャビン内の安全性を向上。スピードメーターには赤いラインでスピードを表示する、“温度計”を思わせるデザインが取り入れられました。快適性の改善が図られるとともに、先代PV444より1人多く座れるように形状が変更されたリアシートも、特筆すべき変更点といえるでしょう。

技術面においても、PV544は近代化が進められました。PV444では北米仕様を除いて1種類しか用意されていなかったエンジンに、もうひとつの選択肢が加えられたのです。さらにマニュアルトランスミッションも、3速から4速へと進化。PV544は、4速マニュアルトランスミッションを搭載した初のボルボとなりました。

PV544のメカニズムには幾度となく改良の手が入ります。1961年に実施された変更では、有名な“B18”エンジンをボンネットの下に搭載。同時に電気系統にも手が入り、12V電流を使用するように改められました。

技術仕様
モデル: PV 544
バリエーション: スペシャルI、II、スポーツ(主な呼称)PV 544 A PV 544 B PV 544 C PV 544 D PV 544 E PV 544 F PV 544 G
生産年: 1958~1965年
生産台数: 243,990
ボディ: 2ドアサルーン
エンジン: 4気筒、直列、オーバーヘッドバルブ、1,583cc、79.37 x 80mm、60bhp/4,500rpm、85bhp/3,500rpm。1961年: 1,778cc、4,500rpmで75bhp、5,000rpmで90bhp、後に95bhpに増加
トランスミッション: 3速または4速マニュアル、フロアマウントギアレバー
ブレーキ:4輪油圧式ドラム
サイズ: N/A
特記事項:PV544は1950年代末から1960年代初頭にかけてもっとも成功したラリーカーの1台。