衝突警告システム* - 機能の限界
「オートブレーキ機能およびサイクリスト・歩行者検知機能付衝突警告システム」は、歩行者やサイクリスト、自車の前方で停止している車両、あるいは同じ方向に走行している車両に衝突する危険があるときに運転者をサポートする機能です。
機能には限界があります。例えば、このシステムは車速が4 km/h (3 mph)に達するまでは作動しません。
陽射しが強いとき、光の反射があるとき、運転者がサングラスを着用しているとき、運転者が前方をまっすぐ見ていないときなどは、衝突警告システムの警告灯図(1)が見えにくい場合があります。このため、警告音はつねに作動状態にしてください。
路面が滑りやすいときには、ブレーキ距離は長くなるため、衝突を回避する能力が低下する場合があります。そのような状況では、ABSおよびESCシステムが、安定性を保ちながら、可能な範囲でもっとも優れた制動力を発揮します。
ノート
陽射しの強いときなどに車内の温度が上昇すると、衝突警告灯が一時的に非作動となる場合があります。このような場合は、メニューシステムで解除されていても警告音が作動します。
- 前方を走行する車両との距離が近いときや、ステアリングホイールやペダルの動きが大きいとき(スポーティなドライビングスタイルのとき)は、警告が出ない場合があります。
注意
交通状況や外部環境の影響によって、レーダーまたはカメラセンサーが前方の歩行者、サイクリスト、車両を正しく検出できない場合には、警告やブレーキの介入が遅れたりまったく作動しない場合があります。
センサーシステムが歩行者やサイクリストを検知できる範囲は限られています1。歩行者およびサイクリストが対象の場合、このシステムは車速が50 km/h (30 mph)以下のときに効果的な警告およびブレーキ介入を行うことができます。停止車両や低速の車両に対する警告およびブレーキ介入は、速度が70 km/h (43 mph)以下のときに効果を発揮します。
夜間や視界が悪いときには、停止している車両、あるいは低速で走行している車両に対する警告が出ない場合があります。
歩行者およびサイクリストに対する警告およびブレーキ介入は、車速が80 km/h (50 mph)を超えると解除されます。
衝突警告システムは、アダプティブクルーズコントロールと同じレーダーセンサーを使用します。詳しくは、レーダーセンサーの機能の限界を参照してください。
警告が出る回数が多過ぎる、または警告が邪魔に感じる場合は、警告距離を短くします。この場合、システムが警告を出すタイミングが遅くなり、警告の回数が減ります。
リバースギヤが作動すると、オートブレーキ機能付衝突警告システムは一時的に解除されます。
オートブレーキ機能付衝突警告システムは4 km/h (3 mph)未満の低速では作動しません。駐車時など、非常に低速で前方の車両に接近している状況でこのシステムが作動しないのはそのためです。
運転者が活発に運転を行っている状況では、衝突警告システムの作動がわずかに遅延されます。これは、不要な警告を最小限に抑えるためです。
オートブレーキにより静止している物体との衝突が回避された場合には、車両は、最大1.5秒間静止したままとなります。移動している前方車両のために車両にブレーキがかかった場合には、先行車両が維持している車速と同じ速度に減速します。
マニュアルトランスミッション装備の車両では、オートブレーキにより車両が静止状態になると、事前にドライバーがクラッチペダルを踏み込まない限り、エンジンが停止します。