オートマチックトランスミッション - Powershift(パワーシフト)*

Powershift(パワーシフト)オートマチックトランスミッションはエンジンからの駆動力をデュアルクラッチディスクで駆動輪に送ります。一方、Geartronic(ギヤトロニック)は油圧トルクコンバーターを使用します。
P3-1320-Geartronic shift pattern
D: オートマチックギヤポジション。+S–: マニュアルギヤポジション。S: スポーツモード*

Powershift(パワーシフト)トランスミッションは、Geartronic(ギヤトロニック)オートマチックトランスミッションと同様に操作します。コントロールや機能も同様です。

例外の1つは「Geartronic(ギヤトロニック)- ウィンターモード」機能です。

  • Powershift(パワーシフト)では、手動で2速を選択すると滑りやすい路面で発進することができます(Geartronic(ギヤトロニック)では3速です)。

けん引

Powershift(パワーシフト)トランスミッション装備のモデルはけん引しないでください。エンジンが回転していないと、トランスミッションに十分な潤滑が提供されません。どうしてもけん引が必要な場合には、できるだけ距離を短くし、超低速でけん引してください。

車両に Powershift(パワーシフト)または Geartronic(ギヤトロニック)トランスミッションが装備されているか不確かな場合は、ボンネット下のトランスミッションラベルの表示で確認できます(タイプの表示)。”MPS6” と記されていれば、Powershift(パワーシフト)トランスミッションであり、それ以外の場合は、Geartronic(ギヤトロニック)オートマチックトランスミッションです。

けん引の重要情報も参照してください。

注意事項

トランスミッションのデュアルクラッチにはオーバーロードプロテクションが装備されており、長時間上り坂でアクセルペダルを使用して車両を静止状態に保っていた場合など、クラッチの温度が極度に上昇すると起動します。

トランスミッションが過熱すると車両が揺れ、振動が発生します。また警告灯が点灯し、コンバインド・メーター・パネルにメッセージが表示されます。トランスミッションは、上り坂での渋滞を低速(10 km/h以下)で走行した場合や、トレーラーをけん引している場合などにも過熱することがあります。トランスミッションは、フットブレーキを使用して車両を静止させ、エンジンをアイドリング速度で回転させると、通常の温度に戻ります。

上り坂の渋滞を低速走行する場合には、段階的に走行することで過熱を防止することができます。

  • ブレーキペダルを踏んで車両を静止させ、先行車との間に適度な距離ができるまでお待ちください。少し前進したら、ブレーキペダルを踏み直して、またしばらく待機してください。

 重要

上り坂で車両を静止した状態に保つには、フットブレーキを使用してください。アクセルペダルでバランスをとることはしないでください。トランスミッションが過熱する場合があります。

ディスプレイテキストと処置

場合によっては、シンボルが点灯すると共にコンバインド・メーター・パネルにディスプレイテキストが表示されます。

シンボルメッセージ走行特性対処
Symbol informationトランスミッション高温 ブレーキを踏んで下さい一定のエンジン回転数で、同一速度を維持することができません。トランスミッションがオーバーヒートしています。フットブレーキを使用して、車両を停止してください。1
Symbol varningトランスミッション高温 安全に停車しエンジンは かけたままにして下さい車両のトラクションが著しく低下しています。トランスミッションがオーバーヒートしています。ただちに安全に駐車してください。1
Symbol informationトランスミッション冷却中 エンジンは かけたままにして下さいトランスミッションがオーバーヒートしています。運転しないでください。トランスミッションがオーバーヒートしています。できるだけ速く冷却するには:ギヤセレクターレバーをNまたはP位置にして、メッセージが消えるまでエンジンをアイドリングさせてください。

表には、トランスミッションがオーバーヒートした場合に、その度合いに応じて講じることができる3つの手段が記されています。ディスプレイテキストと共に、車両のエレクトロニクスも一時的に異なった走行特性を採用していることに注意してください。該当する場合には、ディスプレイテキストの指示に従ってください。

 ノート

表の例は車両の不具合を示すものではなく、コンポーネントのいずれかへの損傷を防止するために、安全機能が意図的に起動されたことを示します。

 注意

テキスト トランスミッション高温 安全に停車しエンジンは かけたままにして下さい と組み合わされた警告表示を無視すると、トランスミッション内が非常に高温になり、クラッチの故障を防止するためにエンジンとトランスミッションの間のパワートランスミッションが一時的に停止する場合があります。この場合、車両は駆動力を失い、トランスミッションの温度が適度に低下するまで、静止したままとなります。

オートマチックトランスミッションに関する処置のメッセージについては、ディスプレイテキストを参照してください。

ディスプレイテキストは、処置が実行されるか、方項指示器レバーの OK ボタンを1回押すと自動的に消えます。

  1. * オプション/アクセサリー。
  2. 1 できるだけ速く冷却するには:ギヤセレクターレバーをNまたはP位置にして、メッセージが消えるまでエンジンをアイドリングさせてください。