Pilot Assist*

Pilot Assist1 は、両側の車線境界線の間を走行するよう運転者を支援できるとともに、運転者が一定の速度を維持し、前方を走行している車両との車間時間をあらかじめ選択した時間に維持するのに役立ちます。
P5-1507-Adaptive Cruise Control, overview detection of vehicle ahead and side markings
カメラとレーダーユニットは、先行車両との距離を測定し、車線境界線を検知します。
  1. P5-Icon red circle 1カメラおよびレーダーユニット
  2. P5-Icon red circle 2距離リーダー
  3. P5-Icon red circle 3レーダー、車線マーク

Pilot Assistを理解する

Pilot Assistは車両の制御を支援しますが、この機能に完全に慣れるには、数キロメートルPilot Assistで走行する必要があるかもしれません。そのメリットをすべて安全に使用するには、この機能の用途と制約についてすべて知っておくことが重要です。

Pilot Assistは主に高速道路や同様の主要道路での使用が想定されており、そのような道路でより快適に、よりリラックスした運転ができるようにします。

運転者は目標速度と、先行車との車間時間を選択します。Pilot Assistはカメラユニットを使用して、先行車までの距離と路面の車線境界線をスキャンします。ステアリングアシストにより車両が車線内に保たれる一方で、自動速度調節により設定車間時間が維持されます。

コーナリングサポート*機能をオンにすると、車両の速度に影響する場合があります。

Pilot Assistは、アクセルおよびブレーキにより速度を制御します。ブレーキを使用して速度を調整する際に、ブレーキが低い音を発するのは正常です。

Pilot Assistは以下を支援します。
  • 速度をスムーズに制御する。急ブレーキが必要な状況では、かならずご自分でブレーキをかけてください。速度差が大きく異なる場合や、前方の車両が急ブレーキをかけた場合などです。カメラおよびレーダーユニットには限界があるため、不意にブレーキがかかることや、あるいはまったくブレーキがかからないことがあります。
  • 運転者が設定した車間時間を保ちながら同じ車線の先行車両に追従する。レーダーユニットが前方の車両を検知できない場合、車両は運転者の設定した速度を維持します。先行車両が加速して設定速度を超えた場合も同様です。

車線内における車両位置

Pilot Assistは、ステアリング操作を支援するときに、表示されている車線区分線の中間に車両を維持しようとします。よりスムーズな走行を実現するために、車両に最適な位置を見つけさせることをお薦めします。運転者は、自車の位置をステアリング操作でいつでも調整できます。車両が確実に車線内の安全な位置を走行するよう運転者が注意を払うことが重要です。

車両がPilot Assistによって車線内に正しく維持されない場合、Pilot Assistをオフにするか、またはアダプティブクルーズコントロール*に切り替えることをお薦めします。

ステアリングアシスト

P5-1617-PilotAssist2 Symbol Steering Standby

ステアリングアシストの現在の状態は、ステアリングホイールのシンボルの色で表示されます。

• ステアリングホイールが点灯している場合、ステアリングアシストが作動しています。

• ステアリングホイールが消灯している場合(図の色)、ステアリングアシストは解除されています。

Pilot Assistステアリングアシストは先行車の速度と車線境界線を考慮に入れます。運転者は Pilot Assist からいつでもステアリング介入を行なって、別の方向に操舵することができます。例えば、車線変更時や道路上の障害物を避ける場合などです。ステアリングアシストが機能している間はステアリングホイールに抵抗が感じられます。

ステアリングアシストの一時解除

 注意

Pilot Assistステアリングアシストは自動的にオフになり、事前の通知なしに作動状態に戻ります。

方向指示器を使用した場合、Pilot Assistステアリングアシストは一時的に解除されます。方向指示器をオフにすると、車線境界線が引き続き判別できる場合はステアリングアシストが自動的に再起動されます。

Pilot Assistが車線をはっきりと識別できない場合、例えばカメラユニットが車線境界線を捉えられない場合は、Pilot Assistがステアリングアシストを一時的にオフにします。速度と距離の制御機能はアクティブな状態を維持します。再び車線を判別できるようになると、ステアリングアシストが再開されます。こういった場合、ステアリングホイールがわずかに振動し、運転者にステアリングアシストが一時的に解除されたことを知らせます。

カーブの走行および道路の分岐時

Pilot Assistは運転者と連携するため、運転者はPilot Assistからのステアリングアシストを待つことなく、つねに自らステアリング操作を行なう意識を持ち、特にカーブを走行するときには準備を心がけることが必要です。

車両が出口に近づいたとき、または車線が分岐する場合、運転者は予定進路の方向へステアリングを操作して、Pilot Assistがその方向を検知できるようにする必要があります。

運転者の手はステアリングホイールに

P6-1817-PA-Symbol Hands-on-Steeringwheel

Pilot Assistが機能するには、運転者が両手をステアリングホイールに置いている必要があります。Pilot Assistは状況により対応できない場合があるだけでなく、予告なしにオフ/オンが切り替わる可能性があるため、運転中は、運転者がつねに注意を怠らず、積極的に運転に関わることも必要です。

 注意

警告信号がトリガーされた場合は、システムが発するその他のレベルの警告とアシスタンスを待たずにただちに対処してください。
  1. Pilot Assistにより、運転者が両手でステアリングホイールを握っていないことが検知されると、車両を能動的に操舵するよう促すために、シンボルとテキストメッセージの警告がドライバーディスプレイに表示されます。
  2. 数秒経過しても運転者の手がステアリングホイールを握っていないことが検知できない場合、ステアリング操作を自発的に行なうように促す指示が繰り返されるとともに、警告音が鳴ります。
  3. さらに数秒が経過した後、Pilot Assistが運転者の手がステアステアリングホイールを握っていることを検知できない場合、機能がオフになります。その後は、ステアリングホイールのボタンP5-1507-Cruise Control, speed limiter, activates speed limiter and stores current speed symbol 5x3,5を押してPilot Assistを再起動する必要があります。オフになった後も機能は最大5秒間、警告音を発し、警告メッセージを表示し続けます。

急な坂道や重い荷物を積載しての走行

Pilot Assistは主に、平坦な路面走行時用に設計されています。急な下り坂を走行する場合、この機能が前方の車両と適切な距離を保つことがむずかしい場合があります。このような場合には、特に注意を払い、いつでもブレーキをかけられるようにしてください。

重い荷物を積載しているとき、または車両にトレーラーが連結されているときには、Pilot Assistを使用しないでください。

 ノート

トレーラーやバイシクルホルダーなどが車両の電気系統に接続されている場合、Pilot Assistは作動できません。

使用する前にすべての警告をお読みください

 注意

  • この機能は、運転を手助けし、安全性を向上させるための補助的な運転者サポートであり、交通条件、気象条件および道路条件によっては対応できない状況があります。
  • 機能の限界やシステムの使用前に知っておくべきことを把握するために、運転者には、オーナーズマニュアルを確認して、この機能に関連する項目をすべて読むことをお薦めします。
  • 運転者サポート機能は運転者の注意および判断に代わるものではありません。現行の交通規則および規制に従い、ほかの車両と適切な距離を取って、適切な速度で安全に車両を運転することは、つねに運転者の責任です。

 ノート

この機能は、車両のカメラおよびレーダーユニットを使用しますが、ある一定の限界があります。

 重要

運転者サポートコンポーネントのメンテナンスは、サービス工場で実施する必要があります。ボルボ指定のサービス工場をご利用ください。

 注意

状況により、Pilot Assistステアリングアシストは適切に運転者を支援することがむずかしい場合や自動的に解除される場合があります。このような状況では、Pilot Assistの使用はお薦めできません。考えられる状況の例:
  • 車線が不明瞭である、摩耗している、欠落している、交差している、または車線が複数ある場合。
  • 車線が分かれたり合流したりする場合など、車線区分が変わるとき、または滑りやすい路面を走行しているとき。
  • 道路工事が行なわれている場合や、車線が正しいルートを表示しなくなる場合など、道路に突然の変化がある場合。
  • 道路上、または道路付近にある境界線やその他の線が車線よりも目立つとき。例:カーブ、合流地点、道路工事、防壁や路肩の境界線、濃い影など。
  • 車線が狭い、または曲がりくねっているとき。
  • 車線に隆起または穴があるとき。
  • 悪天候のとき。例:雨、雪、霧、ぬかるみ、低照度条件による視界の低下、逆光、濡れた路面など。
運転者は、Pilot Assistには以下のような機能の限界があることにも注意してください。
  • 高い縁石、路側防護柵、一時的な障害物(トラフィックコーン、防護柵など)は検知されません。または、車線境界線として正しく検知されずに、車両が接触する危険性があります。運転者は自分自身でそのような障害物と車両の間に適切な距離を確保する必要があります。
  • センサーおよびレーダーセンサーには、道路交通環境で接近する物体や障害物すべてを検知する性能はありません。例:ルートを完全に、または部分的に妨げる道路の深い窪み、停止車両、物体など。
  • Pilot Assistは、歩行者や動物などを検知することはできません。
  • 推奨のステアリング装置の性能には限界があります。Pilot Assistが運転者のハンドル操作をつねに支援し、車両を車線内に維持できるわけではありません。
  • 車両にSensus Navigation*が装備されている場合、地図データの情報を使用するオプションがあります(パフォーマンスにはばらつきが生じる場合があります)。
  • 速度感応式ステアリングホイールがアシスト力の低下した状態で作動している場合(過熱のため冷却が行なわれているときなど)、Pilot Assistはオフになります。

 注意

Pilot Assist は、車線の各側に車線境界線がはっきり塗装されている場合にのみ使用してください。それ以外の状況で使用すると、周辺の検知できない障害物と接触する危険性が高くなります。

 注意

  • これは、衝突回避システムではありません。システムが前方の車両を検知しない場合、かならず運転者が責任を持って操作を行なう必要があります。
  • 本機能は、人や動物、または自転車やオートバイなどの小型車両に対しては、ブレーキを作動しません。さらに、車高の低いトレーラー、対向車、低速で走行している車両、または静止している車両および物体に対して、ブレーキを作動させることもありません。
  • 本機能は、市街地走行時、ジャンクション走行時、滑りやすい路面走行時、水たまりが多い路面や雪や泥に覆われている路面走行時、激しい雨や雪の中の走行時、視界が悪いとき、曲がりくねった道路走行時など、要求が厳しい状況では使用しないでください。
  1. * オプション/アクセサリー。
  2. 1 この機能は標準装備の場合とオプション装備の場合があり、市場によって異なります。